Day 05 Artificial Body
敵のジャンクテイマーに新型機が現れました
ジャンクの裏には大規模な組織の影があるようです
それは暴力でもって世界を奪おうと、統率を強めているようです
我々の未来は、いまだ闇の中です
戦いましょう、生き残りをかけて……
――俺が15歳の誕生日のプレゼントに貰ったのは、機械の身体だった。
生まれつき身体が弱く、ちょうど物心ついた頃に始まった
重粒子粉塵兵器の実験で汚れて行った大気に少しづつ蝕まれ、
13の頃にはほぼすべての時間をベッドで過ごすことを余儀なくされていた。
普通なら、20を待たずに俺はこの世を去り、一人息子を亡くした夫婦が残されただけだろう。
しかし皮肉なことに、俺を救ったのも重粒子粉塵兵器だ。
父は小さな町工場の社長だった。細々と機械の部品を作って大企業に卸し、
家族3人が食うに困らない程度に稼げる、それくらいの規模だった。
だが、父の工場の精密部品の生産技術が、重粒子粉塵兵器を実用化する上で
重要なパーツに使えると、白羽の矢が立ったのだ。
受注はうなぎ登りに増え、どんどん工場は大きくなっていった。
そうして、本来ならば健康な生身の身体を売り払わなければ費用を賄えない、
脳以外を全て置き換えるバイオ手術が可能なくらい、蓄えがあったのだ。
最初に候補に挙がったのは新生体だったが、そこで問題が発生した。
俺の細胞をベースに身体の培養を試みるが、培養途中で崩壊してしまう。
医者には重粒子粉塵による遺伝子異常だと言われた。
結果として、新生体での置換手術は断念し、機械体への置換が決定した。
手術の日は奇しくも2月17日。15歳の誕生日だった。
手術室へ向かうストレッチャーに横たわる俺の手を握り、泣きそうな顔の両親が――
ジャンクテイマーに与する組織がいくつも確認されています
この世界を暴力と略奪でもって支配力を高めようとする存在です
多くの物資が奪われ、多くの人命が失われています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています
――端末のアラームが鳴り、目を覚ます。テララーニャの自分の船室だ。
この身体はよく、夢を見る。今日は両親が出た夢を見た気がする。
技術者、芸術家などのクリエイターをターゲットとした身体のため、
脳の状態をベストな状態に保つため、夢を見やすいのだそうだ。
今日は早番だったか。ペンギン諸島を発ち、小群島へと向かう途中だ。
凍った海を進む航海はどうしても低速での航行となる。
そしてできる限り安全なコースを選ぶ必要があり、その航路はどうしても限定されている。
ゆえに、他者からも予測しやすい。
――そう、他者から略奪するという生存戦略をとる、ジャンクテイマーからも。
昨日、横道潮流にてボートレースが行われました
荒波を越えて勝利した選手には、1か月分のメシが贈られました
いつか、どこの領域でも平和なレースを取り戻したい。優勝者の願いです
戦う人々に祝福を……我々は、生き続けるのです