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死喰い鳥のザミエル


Day 09 Marital Quarrel


本日のニュースです
巨大未識別融合グレムリンの迎撃が完了しました
三大勢力は大きく兵力を失い、再編は容易ではないでしょう
弔いの鐘が各地で響いています
戦火の傷跡は大きく、我々はいま試されています


「おい、なんで今日の出撃にイゾルフもいた!?少なくとも俺が出撃準備してる時には意識は無かったはずだ」


「その……今の状況を話したら止める間も無く出て行ってしまって……」


「ディルク、お前が『作戦は無事に終わった、ザミエルたちもすぐ帰投するから休んでなさい』とか
言えば済む話だっただろう!?意識戻って片腕で出撃するイゾルフも悪いがバカ正直に伝えるお前もお前だ!!」


「はい……」


「俺がその場に居なかったし、あいつを止められるのは状況的にお前しかいなかったんだよ!!わかるか!?」


船長の執務室に少年の怒気を孕んだ声が響く。
普段は口数も少ない彼が、ここまでの剣幕で怒鳴るのは相当珍しい。


「め、滅相も無い……本当にザミエル、きみの言う通りだ、すまない……。」


相対して小さくなっているのはこの船の船長兼船医にして、
イゾルフの育ての親とも言える男、ディルクその人だ。


「みんなイゾルフには甘いが、お前は特に甘やかし過ぎというか、
ダメと言わなきゃいけない所でダメと言えないのは悪い」


「そ、その通りで……。」


「まあ、起きちまったことは仕方ねえ、これからどうするかの方が大事だ。」


「本当にすまない。ぼくもこれ以上イゾルフが傷付くところを見たくはないからね。」


「ああ、俺たちが生きている限りあいつは死なせん」


本日のニュースです
強化研究所による未識別融合体の解析が本格化しています
これによって、グレムリンのさらなる強化が見込めるとのことです
索敵による機体の練度強化などが示唆されています
希望がある限り……私たちは、生き残れるのです